プロテイン

HMBって何?プロテインとの違いや効果を解説

最近、「HMB」という言葉をよく見かけませんか?ボディメイクをしている方なら1度は目にしたことがあるかもしれません。しかし、「HMBにはどんな効果があるのか、どんな人が飲むべきなのかイマイチ分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そんなHMBの特徴や、カラダにもたらされる効果についてわかりやすくまとめました。摂取するメリットや注意点、飲むタイミングなど、かゆいところに手が届く内容となっています。

HMBはうまく使用すれば理想的な身体づくりや、筋肉の増量をサポートしてくれます。正しい使い方を理解して、ワンランク上のトレーニングを目指しましょう!

HMBとは

HMBとは、必須アミノ酸である「ロイシン」の摂取によって体内で生み出される成分のことです。正式名称は「ベータヒドロキシベータメチル酪酸」といいます。主に、「筋肉の合成を助ける」「筋肉の分解を抑える」2つの働きを持っています。

そもそもロイシンって何?

ロイシンとは、筋肉の材料であるタンパク質を構成する「必須アミノ酸」のひとつです。タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、その中でも、体内で作れない9種類のアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といいます。

ロイシンは筋肉の合成を助け、トレーニング中の疲労感を軽減してくれる効果を持っています。この効果は、ロイシンの摂取により体内でHMBが生み出されるためであると考えられています。

しかし、ロイシンから作られるHMBはわずか5%、1gのHMBを摂取するためには20gのロイシンが必要です。

20gのロイシンをつくるためには、200gのタンパク質(鶏肉0.8㎏分)が必要になります。とてもではありませんが、食品からHMBを摂ることは現実的ではありません。そのため、HMBはサプリメントで摂ることが主流となっています。

HMBを摂取するメリット

筋肉の合成を助ける

HMBには筋タンパク質の合成を促進する効果がありますが、これは筋肉合成を促すスイッチと呼ばれているmTOR(エムトア)というタンパク質が深く関わっています。

mTORは主にトレーニングで筋肉に刺激が伝わることで活性化します。HMBはこのmTORをさらに活性化させる役割を持っているため、筋肉の合成が促進され、効率的に筋肉をつけることが可能になるのです。

筋肉の分解を抑える

私たちのカラダには、筋肉を分解させる経路が存在します。名前を「ユビキチン・プロテアソームシステム」といい、不要になったタンパク質を分解する役割をもっています。

実は、トレーニングによって発達した筋肉は、カラダには不必要と判断されてしまいます。大きな筋肉を動かすことは、それだけで大量のエネルギーが消費され、生命活動が非効率になってしまうためです。何も対策をとらなければ、ユビキチン・プロテアソームシステムにより筋肉は分解されてしまいます。

そこで、その分解を抑えてくれるのがHMBです。HMBには、分解システム経路をブロックし、筋肉が失われていくのを防いでくれる効果があります。

HMBに副作用はあるの?

HMBはもともと体内で生み出される成分です。過去に健康被害などの副作用が見られたという報告もないため、安全性は高いとみていいでしょう。

しかし、多く飲めばそれだけたくさんの効果が出るというものではありません。1日の摂取量など、注意すべき点もあります。危険性は確認されていないとはいえ過剰摂取は避けましょう。

プロテインとはどう違うの?

HMBとプロテインのはたらきには大きな違いがあり、それぞれの役割を理解することで、メリットを最大限に発揮させることができます。まずはプロテインのはたらきから見てみましょう。

プロテインのはたらき

筋肉はダメージを受けると、主にタンパク質を材料として強く大きく生成されます。プロテインは、その筋肉の材料となるタンパク質を効率よく摂るために利用されています。

成人の男女に必要な1日当たりのタンパク質の量は50~60g程度です。ボディメイクのために筋肉量を増やしたい場合は、それ以上のタンパク質を摂取する必要があります。

大量のタンパク質を食事だけから摂ろうとすると、カロリー過多になってしまう危険性があるため、カロリーを抑えつつタンパク質を効率よく摂ることができる市販のプロテインが有効なのです。

HMBのはたらき

プロテインが筋肉の材料となる一方で、HMBは筋肉の増減をコントロールするはたらきをもちます。筋肉合成のスイッチと言われるmTOR(エムトア)を活性化させること、そして筋肉を分解するシステムをブロックすることです。

HMBの効果は、20種類のアミノ酸の必要量が満たされているときに発揮されます。HMBのみを摂取していても筋肉の原料としては不十分です。そのため、筋肉増強やコンディション維持などのサポートとしての利用に向いていると言えるでしょう。

HMBはどんな人が摂るべきなの?

HMBはもともと体内で作られる成分なので、トレーニングをしている人はもちろん、筋肉量が減少する高齢の方でも摂取することができます。

ただし、ボディメイクをする上で必要とされる量のタンパク質を摂れていない方は、まずはプロテインを飲みましょう。あくまでHMBは、トレーニングの成果を得やすくするためのサポート役です。

MHBはタンパク質などの栄養を十分に摂ったうえで、運動やトレーニングをすることで初めて効果が得られます。HMBさえ飲んでいれば筋肉が付いたり痩せたりできるというわけではありませんので注意しましょう。

HMBにはどんな種類があるの?

HMBは大きく分けて2種類あります。それぞれ吸収速度に差があるので、MHBが最大限に効果を発揮するタイミングでトレーニングをするためには、摂取する時間を確認しなければなりません。

HMBカルシウム(HMB-Ca)

HMBをカルシウムと結合して粉末状にしたもので、HMBサプリとして現在の主流となっています。カルシウムと共に直接摂取することが出来る食品素材で、血中濃度は摂取後1~2時間でピークに達します。

HMB遊離酸(HMB-FA)

「HMB遊離酸」と呼ばれるHMBは、吸収速度が非常に早いことが特徴です。吸収に1-2時間かかるHMBカルシウムと違い、わずか30分ほどで血中濃度がピークに達します。しかし、HMB遊離酸は製品数が少ないため価格が高い傾向があります。

HMBの摂取するタイミングは?

HMBのメリットを最大限に活用するためには、摂取のタイミングや摂取方法の工夫が必要です。プロテインやBCAAとは違う側面を持っているため、HMBを摂取するときは以下のことに注意ましょう。

1日数回に分けて摂取する

HMBは1日当たり3gの摂取が適量とされています。しかし、一度にたくさん摂取してしまうと体内で吸収しきれず、尿と一緒に排出されてしまいます。無駄なくカラダに吸収させるためにも、1日数回に分けて摂取しましょう。

トレーニングの1~2時間前に摂取する

HMBカルシウムを使用したサプリメントは、服用してから1~2時間後に血中濃度がピークに達します。そのため、HMBカルシウムの場合はトレーニングの1~2時間前に服用するといいでしょう。

一方で、HMB遊離酸を使用したサプリメントは、服用してから30分後に血中濃度がピークに達するため、トレーニングの30分前の服用が好ましいです。どちらのタイミングが適切なのか、服用するサプリメントをよく確認して判断しましょう。

就寝前に摂取する

ダメージを受けた筋肉は、睡眠中に回復、生成されます。しかし、睡眠中は栄養を補給することができないので、栄養不足になりがちです。筋肉をつくろうにも材料がなければ筋肉は合成されなくなってしまいます。

そこで、就寝前にHMBを摂り筋タンパクの合成をサポートしてもらうことで、筋肉疲労の早期回復や筋肉痛の改善に役立ちます。

摂取する上での注意点

HMBは筋肉の合成促進や分解抑制など数多くのメリットがありますが、摂取する上で注意する点があります。それは「1度に取り過ぎない」ことです。

前述しましたが、HMBは一気にたくさん摂取しても体内で吸収しきれず、尿と一緒に排出されてしまいます。HMB摂取量の目安は1日3gです。この摂取量を基本とし、多量摂取しないように注意しましょう。

まとめ

HMBは理想的なカラダ作りをサポートしてくれる成分です。ただし、単体では栄養素として不十分な点もあるので、プロテインなどとうまく組み合わせることも大切。HMBの役割や効果をしっかり理解して、日ごろのトレーニングに取り入れてみましょう。

ABOUT ME
細川 シンタロウ
スポーツインストラクターを目指して、日々勉強中。23歳から本格的に筋トレに目覚め、毎日30分の筋トレで50kgから60㎏の増量に成功した経験あり。「短時間でも結果に繋がる筋トレ」や「効率的な筋トレ」、「初心者にも分かる筋トレ・プロテイン」について記事を書いています。