ダイエットはいつの時代も人々が望む永遠のテーマ。年始めにダイエットを目標に掲げた方も多いのではないでしょうか。とは言え、“ダイエット”と一口に言ってもその方法はさまざまです。最近では「糖質制限」や「ロカボ」などの言葉も一般的になり、食事のカロリーや糖質を真っ先に気にする方も多いかもしれませんね。でも、極端なカロリー制限や糖質制限は、仮に体重が減っても健康的なダイエットとは言えないことも。必要な筋肉を残し、余分な脂肪を落としたメリハリのあるボディを手に入れるためには、重要な栄養素「タンパク質」の存在を忘れてはなりません。
そこで今回は、これからダイエットを始める方はもちろん、頑張っているのになぜか結果が出ない……と伸び悩む方必見の、健康的なダイエットに導く【タンパク質の基礎知識と摂取方法のコツ】をご紹介します。
そもそも「タンパク質」とは何なのか
私たちは、生命を維持するために毎日食事から栄養を摂取しますが、特に「タンパク質」「脂質」「炭水化物」を三大栄養素と言います。これらの栄養素はそれぞれ重要な役割を果たしており、どれも欠かすことのできないものです。その中でもタンパク質は、筋肉や臓器、肌、髪、爪などのほか、免疫機能や消化酵素といった目に見えないものも含め体を構成するあらゆるものを作る働きがあります。
近年、食の欧米化が進み、炭水化物や脂質の摂取量は過剰傾向にあります。その一方で、タンパク質については意識していないと意外と不足していることも。特に落とし穴になりがちなのが、健康を意識して野菜や果物ばかり食べているケースです。もちろん野菜や果物はカロリーや脂質が低く、体の調子を整えるビタミンやミネラルが多く含まれているため健康に良いですが、これだけではタンパク質が不足し、抜け毛や肌荒れなどさまざまなトラブルの原因につながります。
タンパク質とダイエットの関係性
タンパク質はダイエットにも大きな影響を及ぼします。私たちの体は多くの筋肉から構成されています。筋肉量が増えると、エネルギー代謝が上がるため、たくさん食べても効率的にエネルギーに変換でき、結果的に痩せやすい体質になります。逆に、タンパク質が不足すると筋肉を構成できず、エネルギー代謝が下がるため、余分なエネルギーは脂肪として体に蓄積されてしまいます。
また、間接的な影響として、ダイエット中の極端なカロリーや糖質制限は筋肉量を減らす原因になるので要注意。カロリーや糖質(炭水化物)の摂取量が不足すると、体は危険を感じ筋肉を分解してエネルギーを生み出そうとします。すると【無理な食事制限によるエネルギー不足で筋肉量減少→エネルギー代謝が悪くなる→少し食べただけで太りやすくなる】という最悪の循環を招いてしまうのです。
効率的にタンパク質をするためには?
「タンパク質がダイエットに重要だと分かったけど、具体的にタンパク質をどうやって摂取したら良いの?」という方もいるかもしれませんね。そんな方のために、ここからは具体的に生活の中で実践できるタンパク質の摂取方法について見ていきましょう。
PFCバランスから見た必要なタンパク質量
「タンパク質(Protein)」「脂質(Fat)」「炭水化物(Carbon)」の摂取バランスのことを、それぞれの頭文字をとって「PFCバランス」と言います。これらの三大栄養素はどれも必要不可欠ですから、PFCバランスに沿った食事をすることで、健康的なダイエットを実現できます。PFCバランスは、摂取カロリーのうち以下の比率を目安にします。
・タンパク質(P)= 13〜20%
・脂質(F)= 20〜30%
・炭水化物(C)= 50〜65%
タンパク質は4kcal/g、脂質は9kcal/g、炭水化物は4kcal/gですので、例えば、1日あたり必要なカロリーが2,000kcalであれば、必要な摂取量は以下の通りです。
・タンパク質(P)
=2,000kcal × 13〜20% ÷ 4kcal = 65〜100g/日
・脂質(F)=20〜30%
=2,000kcal × 20〜30% ÷ 9kcal = 44〜67g/日
・炭水化物(C)=50〜65%
=2,000kcal × 50〜65% ÷ 4kcal = 250〜325g/日
上記の計算式でも算出できますが、タンパク質はおおよそ【自分の体重×1〜2g】の摂取が望ましいとされています。例えば、体重が50kgであれば、50kg × 1〜2g = 50g〜100g となりますね。特に、日常的に運動量が多い仕事をしていたり、筋トレなどを行ったりしている場合は、【自分の体重×1.5〜2g】を目安にしましょう。
タンパク質摂取におすすめな食品3選
1日あたりの目標摂取量が決まれば、あとは日常生活の中で効率よく摂取していけばOKです。タンパク質は肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などに豊富に含まれます。基本的には毎回の食事でこれらをきちんと摂取することが大切ですが、これだけでは1日の目標量に到達できないこともあります。そんな時に補助としておすすめな食品を3つご紹介します。間食におすすめですよ。
プロテイン(ドリンク、バー)
タンパク質摂取の王道、プロテイン。粉末のプロテインを水や牛乳などで割って飲むのが一般的です。プロテインは味がまずい・飲みにくい、というイメージがあるかもしれませんが、最近はさまざまなフレーバーの粉末プロテインが登場しており、ジュースのように美味しく飲めます。また、価格帯も幅広いので自分の予算に合わせて選べるのもメリットです。また、スティック状のプロテインバーもおすすめです。こちらもお菓子感覚で食べられるものが多く、種類も豊富です。コンビニやスーパーでも簡単に購入できるため、出先でサクッと摂取したいというときにも非常に便利です。
ヨーグルト
牛乳やチーズなどをはじめとした乳製品にはタンパク質が豊富に含まれています。ただ、ダイエットの観点からは、乳製品の脂質の量は気になるところ。そこでおすすめなのがヨーグルトです。無糖・無脂肪のプレーンヨーグルトは、糖質や脂質を押さえつつ、効率的にタンパク質を摂取することができます。また、ヨーグルトは腸内環境も整えるので一石二鳥。良好な腸内環境もダイエットにおいて非常に重要です。
小魚、あたりめ、さきいかなどのおつまみ
意外に思われるかもしれませんが、こうした魚系のおつまみはタンパク質が豊富に含まれており、なおかつカロリーも低いのでダイエット中のおやつにはもってこい。コンビニやスーパーで簡単に購入できますし、小袋で持ち歩けるので小腹が空いた時にサッと食べることができます。また、これらのおつまみは固さもあるので自然と咀嚼回数が増えます。咀嚼回数が増えると満腹中枢が刺激され、少量でも満足度が高くなりますよ。
タンパク質を味方に、ダイエットを成功させよう!
いかがでしたか?タンパク質がダイエットに非常に重要な役割を果たすこと、そして十分なタンパク質を摂取するためのコツについて、お分かりいただけたのではないかと思います。ダイエットの基本はバランスの良い食生活。何かを極端に増やしたり減らしたりすることなく、健康的で魅力的なボディを手に入れましょう!